部屋に花を飾る
「ママー!」と叫びながら、玄関のドアを開けた娘の手には、アリッサムの花が。外遊びのお土産に、私へと持ってきてくれたのです。ただ茎が短く、花瓶に活けるわけにもいきません。
しかたなく、薬味用にしている小皿に水をたらし、そっと花を横たえました。それだけで、不思議と優しい気持ちに。
星砂のような花を眺めながら、はっと思い出してしまいました。
「そうだ。部屋に花を飾るんだった!」
年末になると、私は翌年にやりたいことをメモしながら、ざっと100個ほど挙げていきます。「家の中に花を絶やさない」というのも、ことしの目標の中のひとつだったのです。
さっそく庭に出て、目に付いたビオラを切ってきました。難しいことは考えずに1~2輪だけ。それを、食器棚に眠っていた和食器に生けます。
今回使ったのは、厚みのあるゴブレットです。釉薬の色合いが気に入っているものの、なかなか普段の食卓には登場する機会がありません。けれども、こうして花器としての役割を与えてやると、すごく生き生きとしてきますよね!
花は一輪あるだけで、部屋の空気がやわらかくなります。どうしたって人間には創れない、超一流の芸術品。
だからこそ、あまり手を加えず、シンプルにその美しさを際立たせてあげたいです。