鎌倉さんぽ
冬の海を見たのは、何年ぶりでしょうか。
先週末、江ノ電に乗ってきました。
藤沢と鎌倉を繋ぐこの路面電車の車窓からは、民家の間を縫うように走った先に海が開けたり、見上げれば山があったりと、実に様々な景色が楽しめます。
時間が止まってしまったかのような、不思議な空と水の色。サーファーがちらほらいる以外は誰もいない、シーズンオフの静けさが心地よかったです。
鎌倉駅で下車し、土産物屋が並ぶ小町通りへ。久々に来てみたらば、まぁ雰囲気が変わっていてビックリ。西洋風の街頭が並ぶ道沿いには、地ビールとソーセージの店、蜂蜜屋、ミカドコーヒーetc. 犬連れの観光客も多く、なんというか、まるで軽井沢です。
学生時代に何度か利用したお香専門店「鬼頭天薫堂」を見つけたときには
「あぁ、そのままでいてくれたんだ」
とホッとしてしまいました。
香司 鬼頭天薫堂 鎌倉 - お香, お線香, 香木, 練り香, 香炉
やはり鎌倉は、古都らしさ、和風な趣きがあると落ち着きます。そうそう、手ぬぐい屋もたくさんあって、目移りしてしまいましたよ!
鎌倉散歩のラストは、ベタに豊島屋へ‐‐そう、鳩サブレーで有名な店です。
豊島屋は本店でしか買えないお菓子が多数あるほか、「どうしちゃったの?!」と思わず突っ込まずにはいられないほどバリエーションに富んだグッズが販売されていて、眺めるだけでも面白いです。
さらに「鳩巣」と名づけられた2階へと続く階段を発見。さっそく上がってみたところ、その先に広がる部屋には豊島屋ご自慢の、世界の鳩グッズが一堂に会していました!!
鳩の工芸品に絵画、鳩サブレーに関する資料など、鳩マニア(いるのか?)にはたまらない空間です。
この「鳩巣」の一角では、鳩サブレーの歴史も紹介されています。読んだらこれが……泣けるのですよ。
研究を重ねて遂に完成した鳩サブレーを、初代はご近所さんに配って回ったそうです。しかし、そのサブレーを近所の人が裏庭で犬にあげているのを、初代の奥さんが目撃してしまったのだとか。
初代の情熱を思うと、何も報告できなかったという奥さんの気持ち……切ないです。
まぁ、後に成功して報われたはずだから、良かったですけれどね。
変わったものと、変わらないもの。変わらないけれども、新しく知るもの。
鎌倉は、まだまだ探りがいがありそうな街です。
豊島屋本店限定パッケージの鳩サブレーを買って、帰途につきました。