お弁当について
あるお母さんが綴った「嫌がらせ弁当」の本やブログが、話題だそうですね。
ママなりの愛情表現。娘のために作り続けた「嫌がらせ弁当」3年間の軌跡
反抗期の娘へママが毎朝作り続けたお弁当。それは、多感な女子高生であればクラスメイトに絶対見られたくないようなキャラ弁です。作り手の技術がヘタに高いだけに、恥ずかしさは倍増だと思われます。
でもですね。かなり屈折しているとは思うのですが、続けて見ているとですね……お母さんの愛情が、じわりじわりと伝わってくるのです。
さらに、その嫌がらせ弁当を毎日しっかり食べてくる娘さん。その意地にも感服です。お弁当が繋ぐ、なんだか良い関係ですよね。
料理全般に言えることですが、とくにお弁当は、作る人の個性がよく表れるものではないでしょうか。私自身は、娘が給食の出る保育園に通っていたため、お弁当作りは数える程度しか経験していません。
遠足や運動会といったお弁当デーは、まずは朝起きたら布団の中で調理手順をシミュレーション。それから、台所に立ちます。実際作っていく中で、予想外の展開になると一気に慌てふためいたりして。要は、慣れていないのです。
お弁当作りが毎日となると、本当に本当に大変だろうなぁ。大変で頑張った分だけ、お弁当箱が空になって戻って来るのか、やたら気になるに違いありません。けれどもそれも、子どもにとっては面倒くさいプレッシャーでしょう。
「お弁当は親子のコミュニケーションツールだ」という話もよく耳にします。ただ、あまり押し付けがましくてもいかがなものか。お弁当の時代が過ぎ去り、ふと振り返ったときに、作ってくれた人の想いに気づく。そのくらいが、ちょうど良いのかもしれません。
さて、いちばん最初に載せました写真は、きのう私が食べたお弁当です!以前から気になっていた、大岡山の四川屋台で購入しました。これ、午前11時くらいから売り始めて、昼過ぎ頃にはだいたい完売してしまっているのです。
中身はというと、メインのおかずが「豚の角煮」「チキンのチリソース煮」「麻婆豆腐」と3つも入っていました。味も中華料理店が作っているだけあり、八角や花椒の香りが食欲をそそる本格派。これで500円だというから驚きです。
紅生姜が入っていたことには、速攻で頭の中にクエスチョンマークが出現しました。が、油っこいおかずの合間に食べると、サッパリ感が引き立って意外と悪くないです。
それにしてもこの中華弁当、肉率が非常に高いですよね。一方、野菜はごく僅か。いや、文句を言うつもりは全くないのです。むしろこの潔さが、かえって気持ちが良いというか。
東京工業大学が目の前という場所柄、お腹を空かせた学生さん達を満足させるべく用意されたと想像すると、心も温まります。当然、ご飯もドーンと大盛りになっていました。
東工大生の皆さんにも、卒業後にこの中華弁当を思い出して、さまざまな想いが胸に去来するときが来るのかもしれません。
そう、お弁当には、たくさんの物が詰められていますから。